かたふり

望みの海と桜の港を行き交う船乗り

東京宝塚劇場の真ん中に座った話

こんにちは、めやもです。

書き出しが「あけましておめでとうございます」の下書きを未だにアップできていませんが、今年も元気に頑張ります。

 

今回、念願のファントムを観劇できることになり、公演前からもう思い残すことない…… むり…… となっていたんですが、あまりにも良いお座席に縁がありましたので、思い出の記録と、これから座られる方の情報になればと、東京宝塚劇場の座席についてレポートしたいと思います。観劇中の感想やレポは次回の記事にまとめます。

 

タイトルコール行きます。

 

 

研2ヅカオタ、はじめてのドセン

~贔屓の視線☆ビシバシ~

 

 

最近HOT EYES!!を観たのがバレバレです。

出オチ感満載ですが今回は清く正しくテンション高く書いていきます。

 

 

開演前

今回座った座席 → 2階S席39番

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座席からの見え方がこちらの通りです。とんでもないですね。

 

席番を見てまず、どうしていいかわからない病になる。座席表を8万回くらい確認する。なんとか残った理性で「真ん中だから早めに座っておかないと周りのご迷惑になってしまう」と思い、開演30分前から着席。どセンターである。株主じゃないのにこんな場所座っていいの? 大丈夫? 合ってる? 刺されない?

 

緊張をほぐしてみようともしました。

ひたすらパンフレットを読む→頭に入らない
顔を上げる→オケピに大好きな西野淳先生の背中が見えてドキドキする(ファンです)
結論→何をしても無駄

 

何をどうしても「宝塚劇場の真ん中」に座っていることをますます実感してこの時点で倒れそうでした。そして緊張のほぐれぬまま流れる美しい開演前アナウンス。

 

「みなさま、あけましておめでとうございます。雪組の望海風斗です。」

 

エリック、お前は…………!!!(エリック強火担キャリエールの人格)

 

あけましてアナウンスが聴きたくて仕方なかった上に、三が日だけのものだと思っていた私はここで心のガッツポーズをしながらすでに「平成っていい時代だったな」と過去を振り返っていました。いい人生でした。

 

 

公演中

一言で言うと、ほとんどオペラを使いませんでした

使いたくなかった。

 

どセンターといえど2階席なので、裸眼で表情まで見えるかと言われると難しいところです。でも、イメージとしては、DVDで全景を見ながら、好きなときに見たい場所をオペラで拡大できるという感じだったんです。

 

ライブビューイングはどうしてもその場面の主役が抜かれます。劇場での観劇も、ご贔屓の方がいればその方を中心にオペラをのぞくことが多くなると思いますし、そのとき、歌や台詞のある方のお芝居は音声情報として認識できますが、カメラやオペラの範囲にいないジェンヌさんの音声を伴わないお芝居は、当然見られなくなります。

 

それを特に実感したのがパリのメロディのシーンでした。

 

待って~~ パリの街の人々こんなに楽しそうにクリスティーヌと歌ってたの?

めっちゃパリ…… (行ったことないけど……)

 

舞台上は間違いなくオペラ座通りでした。たしかに人々がそれぞれに生活をするパリの街だったんです。上手から下手までのすべての場所がパリの街で、すべての人が生きていた。

 

初めて雪組の公演」を観たと思いました。雪組公演を観劇していながら、今までのわたしは本当に雪組を観ていたのだろうかと申し訳なく感じました。今までのヅカライフをもう1度やり直したく感じるくらい、「組の公演」であることを実感しました。

 

物語の考察やみなさんのお芝居の感想はまた次回の記事にまとめたいと思います。

 

 

フィナーレ 

端的に申し上げると今回の死因ですね。

ここでもう一度今回の記事のタイトルを大きな声でお伝えしたいと思います。

 

研2ヅカオタ、はじめてのドセン

~贔屓の視線☆ビシバシ~

 

大事なのは副題です。

 

~贔屓の視線☆ビシバシ~

 

想像してみてください。大丈夫ですか? 生きて帰れますか? 無理です。残念ながら無理です。なんなら組子の視線☆ビシバシです。無理です。大好き……。ずっと応援しゅる……(幼児退行)

 

わたしの瞳がなぜキラキラしているかって

それはジェンヌの笑顔を見つめているからだよ

 

わたしの瞳がなぜウルウルしてるかって

それは贔屓に焦がれ愛してしまったからだよ

 

わたしの瞳がなぜチカチカしてるかって

それは組子があまりに可愛すぎるからだよ

 

わたしの瞳がなぜメラメラしてるかって

それは贔屓とアイコンタクト

わたしがホットアイだからだよ!!

 

ホッタァーーーーーーイ!!!!!!

(いや観劇したのファントムやで)

 

 

取り乱しました。すみません。

でも本当に本当にこんなに目が合うものなのかとびっくりしたんです……。いやほとんどわたしの勘違いだとは思うんですが、何しろジェンヌのみなさまはオペラの中の瞳もとらえているとのことなので……。

 

男役群舞から若手群舞に移るとき、望海さんが下手にはけていく直前に客席に向けて大きくウインクなさるんですが、あれが直撃したのが致命傷だったと思います。本当にいい人生でした。幸せです。悔いなし。たぶん2階席の全員が幸せに人生を終えたと思います。それくらい望海さんのウインクは射程範囲が広いです。たぶん端から端まで3kmくらいあります。

 

幸せ~ 幸せ~ と思いながらも泣きはしていなかったんですが、そのあとわたしが世界でいちばん好きな宝塚のシーンが待っていました。

トップコンビのデュエットダンスです。

 

かねてからだいきほコンビのデュエットダンスが本当に大好きだったんですが、望海さんが真紅のお衣装で大階段に登場するまでなぜかデュエダンがあることを忘れていて(それくらい緊張していました)、望海さんにスポットライトが当たった瞬間に「あー!!! 待って待って!!!!」となりました。当然待ってくれません。

 

初めて舞台を真正面から観られる場所でお二人のデュエットダンスを観て、もうどんどん涙があふれてきました。エリックとクリスティーヌ、望海さんと希帆ちゃん、男役と娘役、いろんな関係性を抱きながら展開される真紅のデュエットダンス。本当に美しくて、幸せでした。お二人がどれくらいの範囲でダンスしていらっしゃるのかもオペラやライブビューイングでは分からなかったことなので、気づきも多かったですし、何よりもお二人の頭からつま先まで、睫毛も指先もジャンプのタイミングも揃っている様子を観られて、改めてお二人が大好きなことを実感しました。

 

そしてリフトで号泣しました。

 

いろんな思いが交錯しました。お二人にご無理はなさって欲しくないし、大劇場公演での振りの変更のこともあります。いろんなことを考えました。その上で、あの日あのとき、あの公演で、静かな微笑みを浮かべてくるくると舞うお二人に、わたしはとても幸せで優しい夢を見ました。

 

そのままオペラは構えられなくなって、お隣の方と一緒にスンスン泣きながら、フィナーレになりました。大階段を降りる組子のみなさんが笑顔で、ヒメさんがカルロッタの顔してご挨拶するのにはけぎわにニコってするところとか、もう本当に雪組が大好きだなと思いながらみなさんのお姿を観ていました。

 

銀橋に望海さんや希帆ちゃんたちが並ばれてご挨拶なさるとき、もう涙で頬がべしょべしょなわたし(と、たぶんお隣の方)を観て望海さんが微笑まれたのは、一生の思い出です。絶対わたしのお葬式で故人のエピソードに入れて欲しい。おばあちゃんになってボケちゃったとき「またその話?」って孫に呆れられたい。何度でも話したい。

 

静かに幕が下りていきました。

 

東京宝塚劇場の真ん中

間違いなく世界で一番幸せな場所でした。

わたしはどんなに端の席でも、後方の席でも、あの空間で宝塚を観劇できるということが本当に幸せなので、今まではどの席になっても、むしろその席の楽しみ方を見つけながら観劇してきました。

 

上手でも下手でも、どのブロックでも、やっぱりそれぞれに良いところがあります。

 

今回、初めて真ん中に座って思ったことは、舞台は真ん中から観ることを作って考えられているということでした。

 

演出家の先生方は、もちろんどの座席から観てもでもすばらしい舞台を考えていらっしゃると思いますし、ジェンヌのみなさんもそうお考えだと思います。それは、どの席から観てもそれぞれの座席の楽しみ方を見つけることができたというわたしの経験からも確かです。

 

だけど、真ん中は、やっぱり真ん中なんです。全部が見えます。ジェンヌさんが「0番」と仰る理由が、憧れる理由が、そこにあったように感じました。とっても特別な場所です。劇場はすべてが特別な場所なんですけど、特別の特別でした。ご褒美という言葉がぴったりな気がします。

 

だからこそ、いつも座ってはいけないとも思いました。

 

宝塚を観劇することは、それだけでわたしにとってご褒美です。悩んでいるとき、どうしていいか分からないとき、やる気が出せないとき、ご贔屓さまに恥じない自分でいられるかといつも考えます。もうむり…となっても、観劇すると元気100倍です。バタコさんもびっくりです。これはどの座席でも同じです。

 

今回、わたしが真ん中で観劇できたのは、ただの偶然です。でも、神様からのご褒美のように感じるくらいの苦労は確かに昨年ありました。だから、「こんなところ座っていいのかな……」とは思いましたが、それ以上に、「ありがたいな、また頑張ろう」と思える経験にもなりました。

 

あくまでも全部個人の感想です。

 

ご贔屓さまがトップでない方にとっては、その方がお芝居やフィナーレに立つ場所こそが、0番で真ん中だと思います。だから、ご褒美だと思う場所も、特別の特別と思う場所も、きっと人それぞれです。その通りです。だから、それぞれの大切な座席を、どうかこれからも大切にしていただきたいなと思います。

 

まとめ

  • 東京宝塚劇場の真ん中は舞台が全部見えるあたりまえ体操
  • 指揮の先生の背中がずっと見えてワクワクする
  • いろんなジェンヌさんとすごく目が合う
  • でも、SS席も1階席も2階席も当日B席も宝塚はぜんぶが特別席

 

どんな座席でも、宝塚の公演は幕が開いたら下りるまで、夢の世界です。その日そのときをその場所で観られることは1回1回が特別な経験です。ぜひこれからも、どの座席でも、夢の世界をめいっぱい楽しみたいと思います。

 

またいつか真ん中に座れるように、今年も頑張るぞー!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。